風の教えるままに ~バス編 5~

団長がひっそりと青筋を立てているなんて知るはずも無い、カイルとメビウスはとりあえず酔いを醒ますことに専念していた。




「まーったく・・・。やーっとお休みになったからのーんびり蜂蜜を採取していたってのに・・・メビさんのバカ・・」
そういいながら、メビウスの酒臭さに辟易したのが、しきりにデオードの魔法をつかって匂いを消しているエルヴァーン族の銀髪の青年がぼやく。
「えー。私がわるいのかぃ? よせよ・・」
「めびさん・・褒めてないから」
「え! そうなの?」
メビウスはまだ酔っ払っているらしく、青年のいやみを軽く交わして大笑いし始めた。
「さてと、俺はこのままチョコボでグスタベルグからコンシュタット方面へ行ってみます」
だいぶ酔いの冷めたカイルが一足先に立ち上がり、メビウスに敬礼をしてから早足で店の外に出て行った。
「・・・・さて、リュウさんや。わたしたちも向かいますか」
「どこへ?」
「ターリ一人でダンジョンは平気だろうし、我々はテレポで一足先にコンシュへ向かいパルブロ鉱山にでも行ってみるか」
「はいはい・・・それにしても、臭いですよ・・【デオード】」
「もういいから・・魔法やめて(笑)」
「くさいんだもの」
リュウと呼ばれた青年は鼻をつまみつつ仕方なさそうにテレポート魔法を唱えたのだった。


マコ達一行は・・どこへついたかというと・・・・
「なあ・・・なんでタロンギ渓谷・・・・」
唖然としてつぶやくマコにイーさんは胸を張って答えた。
「だーってタルタル言ったら、ウィンダスでしょ!」
答えた脇からリンがイーさんに向かってゲンコツを振り下ろしていた。
「痛いワンっ(泣)」
「痛いにきまってるやろっ。めっさ力こめて殴ったもの」
殴った手を痛そうにひらひらさせながら、リンはイーさんを睨みつけた。
「なんでー なんで怒る?」
「ばっかっ!! よく考えてみ! この子おったのバスに程近いグスタベルグやで! どう考えってバストゥークに家族がいたにきまってるやろっ」
リンの言葉にイーさんははっとして、ですよねぇ・・・と、遠い眼をして答えた。
「なあなあ、そんなことより 早く戻らんとこの子の家族心配するんちゃうか?」
これ以上、イーさんになにかしゃべらせるとますますリンの怒りを買って、前に進めなくなると判断したマコは、バスに速く戻るべきだと提案する。
「あーそうやったね。どうやって行く?」
「あれや」
マコが両手をぱちんと合わせて、いい考えが思いついたとにっこり微笑んだ。
「わらうなやー。おばちゃん。んで、どれや?」
まだ怒りが収まらないのか、リンはマコに八つ当たりをしつつ聞いた。
「おまっ・・・・・ま、まあええわ。あんな、コロスケ!」
マコの言葉を聞いて、名誉挽回とばかりにイーさんは魔法を詠唱する。
「でもな、マコ。それはええけど、この子アルテパのルテ石とってるやろか? まだとちゃうん?」
リンが言うと、あーそうやね・・とマコもうなずいた。
「イーさん。って・・なにまた魔法唱えてるんや! やめーーっ」
「なにーーっ・・もう遅い。パート2・・・・・」
「アホーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ」
しゅん・・・・とマコ達が消えたその後には、取り残されたフェイリーが大の字になって眠っていたのだった。



『こちらクロエ・・・アイーシャ。フェイちゃんをさらったっていう三人組ってタル・ヒュム男女?』
必死に書類と格闘していたアイーシャの元に、クロエから通信がはいった。
「うん。あれ・・クロエどこにいるの?」
『やっぱりか・・いや、仕事が一段楽したから手伝おうかとタロンギに来たんだけど・・・たった今テレポ石からその三人組が移動したのがみえたのよねぇ』
「ってことは・・・また移動したと・・・今度はどこへ・・・」
『そこまでは・・・・とにかく一度、報告に戻るわ。』
「ラジャリ。ありがと・・気をつけてね」
共に報告を聞いていた団長が何かを考え様子で眼を閉じ、深く背もたれに寄りかかった。
やがて、考えがまとまったのか立ち上がると、パールに向かってこう告げた。
「犯人は、テレポを駆使して移動している模様。各自テレポできるパートナーとペアを組み、移動せよ。但し、タロンギにはもういないもよう。先回りして探せ!」
『了解! スラグ・クリエル。ホラ石にて待機。ジェイトンがこちらに向かってチョコボ移動開始。周辺をそのまま探らせます』
『こちらメビウス・リョウ。デム到着。カイルが周辺を探索中です』
『こちらグッキー・ライゼル。念のため、元来た道をたどりつつ探索しています。フェイさんはまだホラ石を取っていません。ですので、もう一度タロンギ方面も確認したいと思います』
「グッキー。船で向かってみろ。もしかしたらということもある」
グッキーの言葉に、団長から指示が飛んだ。
『了解しました。一度セルビナ方面へ行きます』
「たのんだ」
『あのぉぉぉ・・こちら、ターリ・・・・もしかして・・おいら出番ナシ?』
ダンジョン探索していたターリから悲しそうな確認が入る。
「あーーーーーっ・・・・ごめん・・ターリ。そうかも」
『いいよいいよ・・オイラ、カニ君と二人で強く生きるよ』
くすん・・と、涙混じりにんじゃ、一旦戻ってウィンから出直してみるよ・・と返事が返ってきた。
「頼りにしてるよ。ターリ・・・」
苦笑いしつつ、そう言うしかなかった団長だった。
by ryo0610hi | 2008-07-28 16:27 | バス編