風の教えるままに ~バス編 3 ~

グッキーとライゼルが大慌てでフェイリーを探しに出たその頃、酔っ払ったフェイリーは北グスタベルグの街に程近い橋の上で堂々と横になって気持ちよさそうに眠っていた。






そよそよと優しく吹く風が、酔っ払ってほてったフェイリーの頬をそっとなでていく。
「おかあさん・・・」
まるで、亡くなった母が傍にいるような錯覚を起こして、フェイリーは無意識に手を伸ばした。
「うはぁ・・・おかんいわれたで・・・そりゃないわ・・・」
道に倒れていたフェイリーを心配して覗き込んだ瞬間、「おかあさん」と言われ手を握られてしまった、青い髪をポニーテールにしたタルタル族の女性は思わずその場にしゃがみこんで落ち込んだ。
「なにをいまさら・・・落ち込むなんて無駄無駄」
「せやけどな、リン。初対面でいきなり"おかん"いわれてみ、けっこうくるで・・」
リンと呼ばれたヒューム族の女性は、鼻で笑って青い髪のタルタルの女性に言い放った。
「マコからにじみ出る おばはん臭さはかくせないってかー」
「なにをぉぉぉぉぉぉぉぉ」
きーっとなってマコが手を振り回しとき、手を握ったまま振り回したせいでフェイリーが地面できれいに一回転した。
「っと・・・・って・・なんや。。寝てる」
「なあ、マコ。この子めっさ酒くっさくないか?(汗)」
「そうなんよ。ほんでここで寝てるからさー、心配になって覗いたんやん」
リンに頷いて、マコはそういった。
「ほんで『おかん』いわれたと・・」
「うっさいわ! しかし・・ここに置いて行く訳にもいかんやろなぁ」
マコは考え込んで、リンをじっと見つめた。
「だのぅ・・・ちょっとまっててや、『あれ』呼びつけるわ」
リンがリンクパールを耳に装備して放った言葉が「とっととこいや」だった。
「しみじみ。女王やな・・リン・・・」
「当然・・・」
・・・・・・・。もはやかける言葉もなく、迎えが来る少しの間風の流れにあわせて幸せそうに微笑んでは地面をごろごろ転がって眠っているフェイリーを面白そうに眺めているのだった。


「グッキーさん。今、門番の方からフェイリーらしきタルタルの女の子が、北グスタの方へいったとの話を聞きました。
グスタベルグへ行ってみます」
グッキーにテルを入れると、グッキーも同じように話を聞いたらしく、すでにグスタベルグに抜ける門の前にいるとのことだった。ライゼルも走って港区から北グスタベルグへ抜ける門をくぐる。と、その先にグッキーの姿を見つけ手を振り合図する。
「ここからあまり遠くへ行っていないと思うんだけど」
グスタベルグの山を見上げてグッキーは心配げにつぶやく。
「いくらフェイでも、ここいらの敵にやられるような弱さではないからあまり心配はいらないかとは・・」
「そうだね。普通の状態のフェイちゃんなら・・・そうだろうね・・・」
「ぐっ・・・」
フォローを入れたつもりが、逆に気まずくってしまった。
「まさか、やっと追いついたと思ったら・・酔っ払ってて・・いなくなったなんて・・そんなことが・・」
深ーくため息をついて、グッキーはがっくりと肩をおとした。
「あ、えと・・・す・・・・すみません」
「ライ君のせいではないよ・・・。あやまらないで・・とにかく橋のほうに行ってみよう。
二人、ため息をひとつついて、向かったと教えられた街に程近い橋へと向かったのだった。



リンとマコとフェイリーの待つ橋の上にヒューム族の成年がチョコボに乗って駆けつけていた。
「呼ばれて参上いたしました」
「おっそいわ」
チョコボから降りて、リンに向かってうやうやしく頭を下げた青年にリンの態度はあくまでも冷たい。
「いいんだ。いいんだ。そんな君でも愛しているよ」
そう言って、リンを抱きしめようとしてするりとかわされる。照れるなよ・・と言いつつも自分が照れているようだった。
「ええから、はよこの子抱いていけや。風邪ひいてしまうわ」
「・・この子?」
「みえてないんか・・・」
二人のやり取りはどうやら日常茶飯事らしく、マコはあくまでも冷静に自分の手を握ったまま眠りこけているフェイリーを空いているほうの手で差して見せた。
「おや、タルタルちゃん・・・・どうしたの?」
リンの足元で気持ちよさそうに寝ているフェイリーを今、やっと気がついた風に彼は聞いた。
「んー、なんや酔っ払って寝てる」
手を握られて動けないんだと困った風にマコは言った。
「ほー・・・なんて豪儀な(笑)」
大笑いしてフェイリーとついでにとマコを抱き上げ彼はにやりと笑った。
「さっさといけや!」
いらいらしたふうにリンは成年をどつく。
「イーわん。まけない・・・・」
くすんと泣きまねをして青年は魔法を詠唱はじめた。やれやれと、マコがため息をひとつ。そして気がついた。
「ちょっ・・イーさんなんで魔法っ! やめやーーーっ」
「なにーーー・・もうおそいー・・・・・・」
気がついたときには4人、テレポーテーションしてしまったのだった・・・・・チーン・・



「グッキーさん・・なにやら橋の上が騒がしいですね」
走りながら遠く橋の上に人が集まっている様子をライゼルが見て、グッキーに告げた。
「もしかしてフェイちゃんがいるのかも! 急ごう!」
「はいっ」
足を速め、もう少しで橋にたどり着く・・というそのとき、その人影はテレポーテーションしてしまった。
「ああああああああああ!! フェイが・・フェイがっっ」
テレポする少しの間に、成年に抱かれたフェイリーの姿を見たライゼルが叫ぶ。
「まままままままま・・まさか・・誘拐っっっっ」
前例があるだけに、二人の焦りはMAX。
「と・・とにかく・・ほほほ・・報告っっ」
動揺が収まらないままに、グッキーがパールのスイッチを入れる。
「ふ・・フェイちゃんが さらわれましたっっっっっ」
『何ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ』
いっせいに各方面から同じ声が返ってきた。RLK13部隊での事件の始まりである。・・・・まじか(汗)・・・・
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by ryo0610hi | 2008-05-07 18:41 | バス編