風の教えるままに ~ バス編 1 ~

ウィンダスに踊らされた悲しい過去をもつフェイリーも、そんなことを微塵も思わせない元気さで、ライゼル・グッキー達との冒険の旅を楽しんでいた。
 課題としてフェイリー、ライゼルにそれぞれ言い渡された事をお互いの協力の元達成し、事件などそうそうあるわけも無く、穏やかに・・・・



「まーーったく、なんで何も無いところで迷子になるのかわからねぇよっ!」
グスタベルクの観光名所のひとつである滝のそばにある橋の上で、ライゼルは泣き顔でぐしゃぐしゃになっているフェイリーの手を引きながら怒っていた。
「だって! 地図をみながら進む訓練しろっていったじゃない! 地図見てたら二人ともいなくなて・・・ぐすぐす・・・」
「いったけどな、確かに言ったよ! でも、迷子になったらそこから動くなよ!」
しゃがみこんでフェイリーと視線を合わせてライゼルは言った。
「動き回ると、かえって探しずらくなる。現に、グッキーさんはお前を探してかなり遠くまで戻ってくれてる。・・・・言ってること・・わかるか?」
ライゼルの言葉にフェイリーは頷いて、ごめんなさい・・と、頭を下げた。
『ぶははははははははははははっっっ!!!!!!!』
と、パールからものすごい笑い声が響いてきた。
『あーーっはははははははははははははははは・・・ひーーっぶぶぶ・・・あーーっはははは』
『・・アイーシャ・・わ・・笑いすぎ・・です・・・』
『だって・・だって・・スラグだって・・わらって・・・・』
『み・・みんなひどいな・・・・わら・・笑ったらライゼルにし・・失礼・・ぷっ・・』
『クリさん・・笑いをこらえて怖い顔したってだめだぜ・・口の端がひくひく・・』
『『ぶわっははははははは』』
「・・・・・・・・・」
その声に、無言のままライゼルが拳を震わせていた事は、フェイリーだけがしっている。
「フェイリーを無事に保護しました。・・・・・ご心配をおかけしました。このまま先にバストゥークへ向かいます」
勤めて冷静にライゼルが報告する。
『了解。ご・・ごくろうだった・・・ぐ・・ぐっきーにはこちらからも連絡しておく・・・きをつけて・・ぷぷぷっ・・・』
まだ笑いの波が引かないのか、スラグの返答は震えていた。
「くそっ・・・」
悪態をついてライゼルが道端にあった小石を蹴り上げたのだった。

まあ。。それなりに穏やかに過ぎて行ったのである・・・・(汗)




簡素ではあるが重厚な石造りの街、バストゥーク共和国。
主にヒューム族とガルカ族が住む街。
自然と共存していたウィンダスとはまるっきり正反対の、まさに作られた街。
その街中をライゼルとフェイリーは足早に進んでいた。
「観光は後でゆっくり。今は酒場で待ってるカイルさんに課題のアイテムを渡すほうが先だ」
街中で迷子になられては大変だと、きょろきょろと落ち付かないフェイリーの手を引いてライゼ
ルは先を急いだ。
「わー。。ライ君すごい大きな噴水・・・きれいねーー」
そんなライゼルの気持ちなど知るはずも無いフェイリーは、のんびりしたものである。
「はいはい、あとあと・・」
ぐいっとフェイリーの手を引いて、わき目もふらずつき進むライゼルだった。
商業区を抜け、港区へ
港区にある酒場が待ち合わせの場所である。
「さっさと課題を終わらせてこの旅を完璧に終わらせないと・・・」
ライゼルがつい滑らせた言葉に「なぜ?」とフェイリーが尋ねると、顔を真っ赤にして「なんでもない!」と、ライゼルは怒ったようにフェイリーの手を離して先を歩き始めた。
「まってよ!」
慌てて、フェイリーも後を追いかける。と、前を歩いていた青年の背中にぶつかってしまった。
「きゃっ」
「おっと・・・大丈夫かい? お譲ちゃん・・」
「はい・・ごめんなさい」
転がってしまったフェイリーを軽く抱き上げて、青年はにっこりわらった。
「いやいや、怪我がないにらそれでいい」
「ありがとうございます」
「フェイ!」
ライゼルがふと振り返った先で、見知らぬ人にぶつかって転がるように倒れたフェイリーをみて、ライゼルも慌てて戻ってきた。
「大丈夫か?」
ライゼルの言葉に頷いたのを確認して、ほっと胸をなでおろしてから、青年に向き直りライゼルは頭を下げた。
「連れが申し訳ありませんでした」
「いやいや、俺も急に立ち止まっちまったからな。すまなかった」
「ううん・・おじさんは悪くないの・・ごめんなさい」
「お・・おじさん・・・・」
「ふ・・フェイ・・・・」
がくっ・・と、うなだれた青年を気遣わしげにライゼルは見て、フェイリーを小突いた。
「お。。おにいさん! ご・・・ゴメンナサイ・・・・」
小さい身体をますます小さくさせて、フェイリーは恐縮したのだった。
「ところで、君たちはどこへ行くんだい?」
「あ、先の酒場で人と待ち合わせなんです」
青年の問いにライゼルが答えると、同じ方向へ行くという青年も共に酒場まで案内してくれるということになった。
「ところで・・・お譲ちゃんは。。格闘をやっているのかい?」
抱き上げていたフェイリーの腰に下がっていた武器をみて青年は尋ねた。
「うん。とーってもたのしいの! はやくもっと強くなって皆を守るくらいになりたい!」
「ほぉ、俺の昔の友人も同じ事を言っていたよ・・・」
青年は懐かしそうに目を細めふっと空を見上げた。
「あいつは、今も拳でみなを守っているんだろうな・・お譲ちゃん。拳と一緒に心も強くなるように努力するんだぜ。そうすれば、誰よりも強くなれる。最後に生き残る奴は心も強い奴だ。俺の友がそうだったように・・な」
「はいっ」
力強く頷いたフェイをうれしそうに見て、青年は笑った。
「さてと・・ここがその酒場だ・・じゃあな」
「ありがとうございました!」
フェイリーを優しく下ろして、青年はバストゥーク式の敬礼を二人にして去って行った。
「なんか・・クリエルさんに雰囲気にてたな」
ライゼルの言葉に、フェイリーも同意し青年の背中が見え無くなるまで見送ったのだった。
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by ryo0610hi | 2007-10-04 19:07 | バス編