風の教えるままに ジュノ編 9-3
2006年 08月 21日
黒い煙に包まれて、気がつけば外の広場のような場所に三人はいた。
「ここは・・・・」
ライゼルが周囲を見回し、後ろを向いて固まった。
「っ・・・・・!」
ライゼルの様子に、グッキーとフェイリーもその方向を見ると目玉がひとつで翼のあるモンスターと骨のドラゴンが三人の前に立ちふさがっていた。
「ギギギ・・・・骨カエセ・・・オロカ者タチ・・・・ワレワレ ノ 支配 モウスグ オマエタチ 死 アルノミ 骨 力封印 ヨクモシタ カエセ」
目玉のモンスターはそう言い放ち、いきなり襲い掛かってきた。
「パライズ! スロウ!!」
グッキーの魔法が炸裂しモンスターの動きを遅くする。
「ギ・・・・」
ライゼルの剣が鋭く切りつける。
「フェイも戦えっ! こいつらがお前の両親の仇だっ!!」
唖然としていたフェイリーにライゼルが告げる。はっと顔をあげ、モンスターを見据えるとフェイリーは武器を構えて殴りかかった。
「てぇぇぃっっ!」
フェイリーの攻撃がモンスターに突き刺さり、体力を削っていく。今、ライゼルと同じようにモンスターと戦っている。不思議な現象だった。
「ドラゴンが動いたっ!」
グッキーの言葉に、反応したのはフェイリーだった。ドラゴンに向き直り攻撃を仕掛けていく。
「こっちは俺が何とかする! フェイをっ!」
二人の体力を回復しながらグッキーも目玉のモンスターにきりかかる。
「大丈夫、フェイちゃんにまかせよう・・こっちがさきっ!」
フェイリーの体力に気を配りながら、目玉のモンスターに剣の攻撃を浴びせいてく。ライゼルの鋭い剣がモンスターに切りかかり、グッキーの剣もまた、何度も突き刻む。
「ウガッッッッ。。。ギギギッッッ・・・ギァァァァァ・・・・」
グッキーとライゼルがぎりぎり目玉のモンスターを倒したときだった。骨のドラゴンの両の目が光り、三人は石のように動きが止まってしまった。
「しまったっ・・・・」
「くっ・・・」
そうしている間に。ドラゴンはフェイリーに襲い掛かり、みるみる体力を奪っていく。
「いゃぁぁぁぁぁぁっっ!!」
どうにもならない状況でフェイリーが叫んだとき、一陣の強い風が吹いたかと思うと、二人のタルタルが、突然フェイリーを守るように立ちふさがった。
「!!」
「あっ!」
フェイリーとグッキーが驚き目を見開く。
「お父さん! お母さん!!」
「なんだってっっ!」
ライゼルも驚きの声をあげる。
フェイリーの母親は石化を治す魔法「ストナ」を全員にかけ、カーバンクルを召喚し体力を癒した。父親はモンクの全力の攻撃をドラゴンに打ち込みはじめた。まるでフェイリーに見本を見せるかのように、フェイリーに微笑みかけうなづきながら・・・。
フェイリーもそれに頷き、全身の力を両の手に込めて、一撃一撃に集中した。
グッキーも、ライゼルも剣を振るうことに集中し、全員がドラゴンを倒すことに全力をだした。
フェイリーの姿に、父親の姿が静かに重なっていく。。。やがてすっかり重なるとフェイリーの動きが突然変化した。一撃一撃の動きが早くなり攻撃の間隔が短くなった。グッキーやライゼルたちが一撃を放っている間に拳をかなりの数を打ち込む。みるみるうちに、ドラゴンの体力がなくなっていく。
やがて。。。フェイリーが静かに両手を下ろした。
それと同時に、ドラゴンが声もなく崩れ落ちた。
「やったー!」
「よくやったっ!!」
グッキーとライゼルがフェイリーに駆け寄った。見るとフェイリーはぼろぼろと泣いていた。
『フェイリー・・・がんばったね・・えらいえらい』
フェイリーの母親が透けていく体でフェイリーをぎゅっと抱きしめて優しく頭をなでてやった。
フェイリーに重なっていた父親がフェイリーから離れ、フェイリーをぎゅっと抱きしめた。
『フェイリーよくがんばった・・・ありがとう・・』
「お父さん・・お母さん・・・・いっちゃやだ・・・」
フェイリーの言葉に両親は少し困った笑顔をみせ、もう一度ぎゅっと抱きしめてから、グッキーとライゼルに深々と頭を下げた。やがて完全に姿が見えなくなるとフェイリーは大声で泣き出し、その場にしゃがみこんでしまった。グッキーとライゼルはたまらずフェイリーを抱きしめた。今はいない両親の代わりに優しく、力強く抱きしめてやったのだった。
一陣の強い風が、三人の無事を祈るみなの上を吹き抜けていった。
「うおっ・・」
帽子が飛ばされそうになるものや、タルタルなどは自分が飛ばされそうになって、近くの人にしがみついている者もいたくらいの強い風だった。
その風が吹いた後に、三人が姿を現した。ぼろぼろ泣いているフェイリーを優しく抱きしめている二人・・・。
「かかかかか・・・・かえってきたーーーーーーーっっ!!!」
アイーシャが立ち上がり三人に駆け寄る。続けてクリエルとジェットンも駆け寄り抱きしめる。続々と周囲を囲まれたくさんの人に抱きしめられて、グッキーとライゼルは笑い出し、フェイリーはますます安心して大泣きし始めた。
その中を、暖かい優しい風がそよそよといつまでも吹いていたのだった。
「ここは・・・・」
ライゼルが周囲を見回し、後ろを向いて固まった。
「っ・・・・・!」
ライゼルの様子に、グッキーとフェイリーもその方向を見ると目玉がひとつで翼のあるモンスターと骨のドラゴンが三人の前に立ちふさがっていた。
「ギギギ・・・・骨カエセ・・・オロカ者タチ・・・・ワレワレ ノ 支配 モウスグ オマエタチ 死 アルノミ 骨 力封印 ヨクモシタ カエセ」
目玉のモンスターはそう言い放ち、いきなり襲い掛かってきた。
「パライズ! スロウ!!」
グッキーの魔法が炸裂しモンスターの動きを遅くする。
「ギ・・・・」
ライゼルの剣が鋭く切りつける。
「フェイも戦えっ! こいつらがお前の両親の仇だっ!!」
唖然としていたフェイリーにライゼルが告げる。はっと顔をあげ、モンスターを見据えるとフェイリーは武器を構えて殴りかかった。
「てぇぇぃっっ!」
フェイリーの攻撃がモンスターに突き刺さり、体力を削っていく。今、ライゼルと同じようにモンスターと戦っている。不思議な現象だった。
「ドラゴンが動いたっ!」
グッキーの言葉に、反応したのはフェイリーだった。ドラゴンに向き直り攻撃を仕掛けていく。
「こっちは俺が何とかする! フェイをっ!」
二人の体力を回復しながらグッキーも目玉のモンスターにきりかかる。
「大丈夫、フェイちゃんにまかせよう・・こっちがさきっ!」
フェイリーの体力に気を配りながら、目玉のモンスターに剣の攻撃を浴びせいてく。ライゼルの鋭い剣がモンスターに切りかかり、グッキーの剣もまた、何度も突き刻む。
「ウガッッッッ。。。ギギギッッッ・・・ギァァァァァ・・・・」
グッキーとライゼルがぎりぎり目玉のモンスターを倒したときだった。骨のドラゴンの両の目が光り、三人は石のように動きが止まってしまった。
「しまったっ・・・・」
「くっ・・・」
そうしている間に。ドラゴンはフェイリーに襲い掛かり、みるみる体力を奪っていく。
「いゃぁぁぁぁぁぁっっ!!」
どうにもならない状況でフェイリーが叫んだとき、一陣の強い風が吹いたかと思うと、二人のタルタルが、突然フェイリーを守るように立ちふさがった。
「!!」
「あっ!」
フェイリーとグッキーが驚き目を見開く。
「お父さん! お母さん!!」
「なんだってっっ!」
ライゼルも驚きの声をあげる。
フェイリーの母親は石化を治す魔法「ストナ」を全員にかけ、カーバンクルを召喚し体力を癒した。父親はモンクの全力の攻撃をドラゴンに打ち込みはじめた。まるでフェイリーに見本を見せるかのように、フェイリーに微笑みかけうなづきながら・・・。
フェイリーもそれに頷き、全身の力を両の手に込めて、一撃一撃に集中した。
グッキーも、ライゼルも剣を振るうことに集中し、全員がドラゴンを倒すことに全力をだした。
フェイリーの姿に、父親の姿が静かに重なっていく。。。やがてすっかり重なるとフェイリーの動きが突然変化した。一撃一撃の動きが早くなり攻撃の間隔が短くなった。グッキーやライゼルたちが一撃を放っている間に拳をかなりの数を打ち込む。みるみるうちに、ドラゴンの体力がなくなっていく。
やがて。。。フェイリーが静かに両手を下ろした。
それと同時に、ドラゴンが声もなく崩れ落ちた。
「やったー!」
「よくやったっ!!」
グッキーとライゼルがフェイリーに駆け寄った。見るとフェイリーはぼろぼろと泣いていた。
『フェイリー・・・がんばったね・・えらいえらい』
フェイリーの母親が透けていく体でフェイリーをぎゅっと抱きしめて優しく頭をなでてやった。
フェイリーに重なっていた父親がフェイリーから離れ、フェイリーをぎゅっと抱きしめた。
『フェイリーよくがんばった・・・ありがとう・・』
「お父さん・・お母さん・・・・いっちゃやだ・・・」
フェイリーの言葉に両親は少し困った笑顔をみせ、もう一度ぎゅっと抱きしめてから、グッキーとライゼルに深々と頭を下げた。やがて完全に姿が見えなくなるとフェイリーは大声で泣き出し、その場にしゃがみこんでしまった。グッキーとライゼルはたまらずフェイリーを抱きしめた。今はいない両親の代わりに優しく、力強く抱きしめてやったのだった。
一陣の強い風が、三人の無事を祈るみなの上を吹き抜けていった。
「うおっ・・」
帽子が飛ばされそうになるものや、タルタルなどは自分が飛ばされそうになって、近くの人にしがみついている者もいたくらいの強い風だった。
その風が吹いた後に、三人が姿を現した。ぼろぼろ泣いているフェイリーを優しく抱きしめている二人・・・。
「かかかかか・・・・かえってきたーーーーーーーっっ!!!」
アイーシャが立ち上がり三人に駆け寄る。続けてクリエルとジェットンも駆け寄り抱きしめる。続々と周囲を囲まれたくさんの人に抱きしめられて、グッキーとライゼルは笑い出し、フェイリーはますます安心して大泣きし始めた。
その中を、暖かい優しい風がそよそよといつまでも吹いていたのだった。
by ryo0610hi
| 2006-08-21 13:51
| ジュノ編