FFXIのキャラですすめる小説


by ryo0610hi
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僕は、人が倒れるところをもう見たくないんだ・・・・








僕が、RLK第13騎士団に入隊し、初めての大きな仕事が「ある冒険者が、ギデアスで不穏な動きをしているヤグード族の調査に行くその手伝い」だった。
すでに、潜入している冒険者の後を追うように、ウィンダスへ向かい、領事館で手続きをしていた時だった。
「危険すぎる調査だったらしい。至急冒険者の後を追い調査を中止し戻るように伝えろ」
と、本部から連絡が入った。
大急ぎでギデアスに向かい、奥へと進んだ僕の目の前にその冒険者はいた。
「大丈夫ですか!」
僕の呼びかけに、まったく反応がなかった。
そう。すでに逝き絶えた状態でそこに冒険者は倒れていたのだった。



「グッキー。ショックなのはわかるけど食事しないとだめだぜ」
同じRLK13騎士団の仲間ヒューム族のカイルが、グッキーが手を付けようとしない夕食を指差して言った。
「小さな・・・」
ぽつりとグッキーは言った。
「ん?」
「小さな女の子がいたんだ・・・」
カイルは食事をしていた手を休め、じっとグッキーの言葉を待った。
「その冒険者のお子さんなんだって・・・」
「ほう・・・」
頷いて、カイルは再び食事を再開する。
「なにが起こったのか、よくわからないみたいで、僕を見てにっこり笑ったんだ」
うつむいたまま、グッキーは小さい声でそう言った。
「・・・そうか・・・」
「うん・・・」
少しの沈黙の後、カイルが立ち上がり暖かいお茶を淹れ始めた。
「なあ、グッキー。・・・・いつまでそうやってるの?」
「・・・」
カイルは二人分いれたサンドリアティーを両手に持ち、一つをグッキーの前に置いて、自分もテーブルについた。
「お前さ、言ってたじゃん。『僕が魔道士になったのは、困ってる人や傷ついている人を助けたいからだ』って・・・忘れた?」
「・・・・」
「人を助けるってさ、簡単なようだけど・・・まあ、俺の持論ではあるが、『自分自身の心が強くなくてはできない』って思うんだよ」
カイルはそう言って、少し照れくさそうにお茶を一口飲んだ。
「お前、今のままじゃ誰も助けられないぜ・・・? やめだの? そういうことするの」
「やめてないよ!」
カイルの言葉をグッキーは強く否定する。
「ふーん」
疑わしそうにグッキーを見て、カイルは続けた。
「あの事件から、もう一週間。その間にも事件は起こっている。回復もしないで体力がたがた。助けに行くはずが助けられ、役立たず。そんなお前が『やめてない』という・・・」
テーブルに頬杖ついて、グッキーから視線をそらし少し怒ったような口調でカイルは言った。
「言ってることと、やってることちがくねぇ?」
カイルの言葉に、はっとしたようにグッキーは顔を上げ、そして「そう・・・だね・・」と小さく頷いた。
しばらく沈黙が続いた。
カイルが淹れたお茶がさめたころ。ようやくグッキーが動き始めた。
カイルが淹れたお茶を一口飲んだのだ。
「あまい・・・」
「当然だ。メープルシュガーをてんこ盛り」
「ひどいや・・」
くすくすとグッキーは笑って、もう一度口をつける。
「暖かいの淹れてやる。少しまってろ」
カイルが立ち上がり、すっかり冷めてしまったお茶を淹れなおすべくグッキーからカップを受け取る。
「カイル・・・僕、もう二度と人が倒れているところを見たくないんだ・・・」
「うん」
「今日で、うじうじをやめる」
「うん」
「明日から、魔法の修行もまた始める」
「うん」
「・・・・・カイル」
「うん?」
「ありがとう・・」
「うん」
照れくさそうに笑っていたカイルを、背を向けられていたグッキーは見ることはできなかった。



「あらーーん。いいとことられちゃったわねぇ・・くりちゃん」
グッキーとカイルのいた部屋の外には、心配顔のクリエルとジェイトンとスラグがこっそり聞き耳を立てていた。
「うるさいよ。ジョイ」
「さてー。オレは暖かい食事でももってきてやるかなぁ」
安心してスラグは厨房に向かって歩き出した。
「カイルにいいところを持っていかれたな・・まあ、よかった・・うん」
「明日から元気なグッキーちゃんがみれるのねぇ」
両手を両頬に当てて微笑むジェイトンを間近で見てしまったクリエルは、げんなりしながら執務室へと帰っていった。
「さてと、仕事仕事・・いくぞジョル」
「だから、名前がちがうってのにっ!」
はっはっは・・と笑いながらクリエルは歩き出した。



僕は誓う。
もう、うじうじしない。心を強く持って、一人でも多くの人を守れるようになる。
じっくりと前を見据えて進んでいく。

あの、小さな女の子の笑顔をまっすぐに見つめられるように。
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by ryo0610hi | 2007-02-22 19:43 | 番外編