FFXIのキャラですすめる小説


by ryo0610hi
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カテゴリ:番外編( 6 )

入団試験まで一週間。
なにもしないでいるよりは・・と、冒険者の経験のある義兄が私を特訓してくれた。
「君は剣をもって戦うより、格闘が向いてるとおもう。それから、回復魔法もいいね」
義兄がいうには、モンクと白魔道士に向いているという。モンクはわかるけど、白魔道士? 
「君は優しいからきっと守ってあげたいっておもっちやうだろ? 騎士だからナイトという手もあるけど、申し訳ないが剣の才能はないと思ったほうがいい・・・・」
いいにくそうではあったが、はっきりと義兄は言った。私自身、剣を持ったもののウサギに逃げられ返り討ちにすらあって、とても向いてるとは思えない。それに比べると、素手で殴っていると嘘のように決まる。
「白魔道士もつきつめると強いよ。私はそんな人をたくさんみてきた。ガルカ族だからといって向いていないなんてことは決してない。むしろむいているかもしれないよ」
義兄の言葉にそれならと白魔道士を目指しながら仕事の合間に一で修行なんかをしてみることにした。ある程度自分のジョブが決定していると受かりやすいとのうわさをどこからか姉が聞いてきてくれたのこともあって、私のやる気もうなぎのぼりだ。

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by ryo0610hi | 2009-04-24 18:31 | 番外編
「まあ、この花、つぼみがついたのね。もうそんな季節なのねぇ」
「思い出すわね。お前が騎士になるって言ったあのときのこと」
母がくすくす笑いながら、言う。
「やめてよ。お母さん。いい加減忘れてちょうだいっ」
私が言うと、大きなおなかをした姉が、花の入ったバケツを店に運びながら笑う。
「ちょっと、姉さんっ! そんな身重の体で力仕事しないでちようだいっ! 出てきたらどうするのよっ」
あわててバケツを取り上げて怒る私に、あねはけろっとして言う。
「体が軽くなっていいかも・・・」
「・・・・」
「さっき、騎士団の入団テストの期日が発表なったって、街の若者が大騒ぎしてたの聞いて私もあんたのこと思い出してわらっちゃったわ」
「笑うことないじゃない!」
「わらわいでか」
そう姉は言うと、ますます笑い出す。ひどい・・ひどいわっ。
「騎士団に受かったって、踊りながら帰ってきたことは、語り草に・・ぷぷ・・・」
「う・・うるさいわねっ」
姉にいいように遊ばれ始めた私を気の毒に思ったのか、母がそろそろお茶にしようかと声をかけてきた。
「ジェイトン。おなかの子の名付け親になってね」
「えっ・・・」
驚いて姉の顔をまじまじと見た。
「そして、いつか、この子が騎士になりたいって言ったら、面倒見てやってちょうだいな」
「ええええっ」
くすくすと姉が笑って言う。
「この子次第だからね。あくまでも。そうなったらの は な し」
「う・・うん」
「間違っても、受かったからって踊って帰ってくるようには、アドバイスはしないでよね」
「しないわよっ!!!」
久々に実家にもどれば、姉のおもちゃにされる。わかっているけどここはやっぱり私の家なのだと思う。素敵な家族。血はつながっていないけど、誰よりも私につながっている人たち。
母の入れたお茶を飲みながら、私はあの日のことを少し思い出した。

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by ryo0610hi | 2009-04-24 12:40 | 番外編
 ロンフォールはとても晴れていた。
 霧が多く発生するこの森ではあったが、ライゼルの訓練の成功を支援するかのようなすっきりとした青空だった。
 ライゼルは、初めて渡された「パール」と呼ばれる通信機を耳に装備する。
 ピアスやイヤリングとは違い、耳の穴に直接はめ込むものだった。
『ライゼル。聞こえるか?』
 パールから直接クリエルの声が聞こえた。それに対してつい頷いてしまってから、慌てて返事を返す。
「は・・はいっ」
「うむ。頷いても私には伝わらないからな」
 クリエルの返事は、パールからではなく、ライゼルの真後ろから聞こえビクッとライゼルは後ろを振り返る。
「初めてのときはよくやるんだ、なに、恥ずかしがることない」
 真っ赤になったライゼルの顔をにやにやしながらクリエルはみて、フォローをいれる。
「さて、ライゼル。訓練を開始する! 今から、王墓へ向かい、墓の後ろで待機。墓を荒らしているやからがいるかどうか、確認ののち帰還。私に直接報告。これが訓練の内容だ。王墓に入る前、墓石前、王墓から出た後の三回の報告はパールを通じて必ずするように。以上だ」
「はい!」
 敬礼をし、ライゼルは答える。
「ただし、無用な戦闘は避ける。なにか危険が迫ったり、不測の事態が発生した場合はパールにて連絡する」
「わかりました」
力強く頷いて、ライゼルは再び敬礼をクリエルに返した。
「開始!」
クリエルの号令でライゼルはロンフォールの森へとかけだした。
「おーい、青年! 逆! そっちじゃねぇぇ!!」
クリエルは、王墓方面とは逆に走り出したライゼルに慌てて声をかける。地図をひろげ「あれ?」と、首をかしげてからなんとか王墓方面へと駆け出したライゼルの様子を見て、クリエルは激しい不安を感じずにはいられなかった。

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by ryo0610hi | 2007-04-13 11:15 | 番外編
 毎日、礼儀作法と剣の訓練。そして、実践訓練とめまぐるしく過ぎていく。今まで、剣の訓練と言って、父親相手にしていたのとはまるで勝手が違う。『人を守る刃は時にまた、人を傷つけるのだ』と、クリエルに体で教え込まれた。文字通り使い方を間違うと自分すらも傷つける。毎日打ち傷、すり傷、切り傷の絶えない有様に、ライゼルは自分でも情けなくなってきていた。
 若き騎士達誰もがぶち当たる『壁』に、早くもライゼルは当たってしまったらしい。
「くそっ・・・・ここでどうして俺は動けないんだ」
 少し切れてしまった頬を、剣を持たぬ左手の甲で乱暴にぬぐいながら青く澄み渡った空を恨めしげにライゼルは見上げた。
「ふむ・・・・」
 そんな彼の様子を見ていたクリエルは、ひとつ課題を出してみようと考えた。
彼の成長に伴う、『壁』を少しでも早く取り除いてやりたかったのだ。
「スラグ、どう思う?」
「いい考えですね」
 クリエルの意見に賛同し、にっこりと微笑んでスラグは頷いた。
「よし、・・なら許可をとってみるか・・・」
 クリエルは早速、紙とペンを取り出し許可証を書き始めた。

許可証
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by ryo0610hi | 2007-03-15 19:57 | 番外編
サンドリア王国に深紅の旗がたなびく。
 澄みやかに晴れ渡ったこの日、エルヴァーン族の青年。ライゼル・ロイスは晴れてサンドリア王国の騎士として認められた。
 幼いころから憧れていた、王国騎士。夢を現実にした青年は、どこまでも青い空の中に燦然と輝きを放ちたなびく深紅の旗を誇らしげに見上げたのだった。

続きよむ?
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by ryo0610hi | 2007-03-14 17:30 | 番外編
僕は、人が倒れるところをもう見たくないんだ・・・・








僕が、RLK第13騎士団に入隊し、初めての大きな仕事が「ある冒険者が、ギデアスで不穏な動きをしているヤグード族の調査に行くその手伝い」だった。
すでに、潜入している冒険者の後を追うように、ウィンダスへ向かい、領事館で手続きをしていた時だった。
「危険すぎる調査だったらしい。至急冒険者の後を追い調査を中止し戻るように伝えろ」
と、本部から連絡が入った。
大急ぎでギデアスに向かい、奥へと進んだ僕の目の前にその冒険者はいた。
「大丈夫ですか!」
僕の呼びかけに、まったく反応がなかった。
そう。すでに逝き絶えた状態でそこに冒険者は倒れていたのだった。



「グッキー。ショックなのはわかるけど食事しないとだめだぜ」
同じRLK13騎士団の仲間ヒューム族のカイルが、グッキーが手を付けようとしない夕食を指差して言った。
「小さな・・・」
ぽつりとグッキーは言った。
「ん?」
「小さな女の子がいたんだ・・・」
カイルは食事をしていた手を休め、じっとグッキーの言葉を待った。
「その冒険者のお子さんなんだって・・・」
「ほう・・・」
頷いて、カイルは再び食事を再開する。
「なにが起こったのか、よくわからないみたいで、僕を見てにっこり笑ったんだ」
うつむいたまま、グッキーは小さい声でそう言った。
「・・・そうか・・・」
「うん・・・」
少しの沈黙の後、カイルが立ち上がり暖かいお茶を淹れ始めた。
「なあ、グッキー。・・・・いつまでそうやってるの?」
「・・・」
カイルは二人分いれたサンドリアティーを両手に持ち、一つをグッキーの前に置いて、自分もテーブルについた。
「お前さ、言ってたじゃん。『僕が魔道士になったのは、困ってる人や傷ついている人を助けたいからだ』って・・・忘れた?」
「・・・・」
「人を助けるってさ、簡単なようだけど・・・まあ、俺の持論ではあるが、『自分自身の心が強くなくてはできない』って思うんだよ」
カイルはそう言って、少し照れくさそうにお茶を一口飲んだ。
「お前、今のままじゃ誰も助けられないぜ・・・? やめだの? そういうことするの」
「やめてないよ!」
カイルの言葉をグッキーは強く否定する。
「ふーん」
疑わしそうにグッキーを見て、カイルは続けた。
「あの事件から、もう一週間。その間にも事件は起こっている。回復もしないで体力がたがた。助けに行くはずが助けられ、役立たず。そんなお前が『やめてない』という・・・」
テーブルに頬杖ついて、グッキーから視線をそらし少し怒ったような口調でカイルは言った。
「言ってることと、やってることちがくねぇ?」
カイルの言葉に、はっとしたようにグッキーは顔を上げ、そして「そう・・・だね・・」と小さく頷いた。
しばらく沈黙が続いた。
カイルが淹れたお茶がさめたころ。ようやくグッキーが動き始めた。
カイルが淹れたお茶を一口飲んだのだ。
「あまい・・・」
「当然だ。メープルシュガーをてんこ盛り」
「ひどいや・・」
くすくすとグッキーは笑って、もう一度口をつける。
「暖かいの淹れてやる。少しまってろ」
カイルが立ち上がり、すっかり冷めてしまったお茶を淹れなおすべくグッキーからカップを受け取る。
「カイル・・・僕、もう二度と人が倒れているところを見たくないんだ・・・」
「うん」
「今日で、うじうじをやめる」
「うん」
「明日から、魔法の修行もまた始める」
「うん」
「・・・・・カイル」
「うん?」
「ありがとう・・」
「うん」
照れくさそうに笑っていたカイルを、背を向けられていたグッキーは見ることはできなかった。



「あらーーん。いいとことられちゃったわねぇ・・くりちゃん」
グッキーとカイルのいた部屋の外には、心配顔のクリエルとジェイトンとスラグがこっそり聞き耳を立てていた。
「うるさいよ。ジョイ」
「さてー。オレは暖かい食事でももってきてやるかなぁ」
安心してスラグは厨房に向かって歩き出した。
「カイルにいいところを持っていかれたな・・まあ、よかった・・うん」
「明日から元気なグッキーちゃんがみれるのねぇ」
両手を両頬に当てて微笑むジェイトンを間近で見てしまったクリエルは、げんなりしながら執務室へと帰っていった。
「さてと、仕事仕事・・いくぞジョル」
「だから、名前がちがうってのにっ!」
はっはっは・・と笑いながらクリエルは歩き出した。



僕は誓う。
もう、うじうじしない。心を強く持って、一人でも多くの人を守れるようになる。
じっくりと前を見据えて進んでいく。

あの、小さな女の子の笑顔をまっすぐに見つめられるように。
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by ryo0610hi | 2007-02-22 19:43 | 番外編