FFXIのキャラですすめる小説


by ryo0610hi
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風の教えるままに   前進 1

サンドリア王国に深紅の旗がたなびく。
 澄みやかに晴れ渡ったこの日、エルヴァーン族の青年。ライゼル・ロイスは晴れてサンドリア王国の騎士として認められた。
 幼いころから憧れていた、王国騎士。夢を現実にした青年は、どこまでも青い空の中に燦然と輝きを放ちたなびく深紅の旗を誇らしげに見上げたのだった。






「ほう・・・新人ですか」
 クリエルは、よい香りを放つサンドリアティーを淹れながら、スラグの言葉に耳を傾けた。
「そうなんですよ。本当に久しぶりですねぇ。前団長がたいへんお世話になったロイス家の長男とかで『私が、団長でいるうちにロイス家にすこしでもご恩を返せることができたよ。スラグ、新しい団長とライゼル君をたのむ』と、いいながら去っていかれました・・・・はぁ」
 履歴書らしき書類をテーブルに置き、どうしたものかと頭をかかえつつ、スラグが席につくと、タイミングを見計らったようにクリエルが淹れたてのお茶を差し出した。
 スラグは、出されたお茶の入ったカップを手に取りしばらく考えた風に黙り込んだが、やがて、お茶を一口すすり、書類をクリエルにさしだした。
「ふむ。しばらくは騎士見習いか。思い出しますねぇ、グッキーが入団したころを」
にこにこしながらクリエルが言うと「そうですね」とスラグも頷いた。
「で、くりさん。彼の教育係りを頼みますね」
「え・・・・」
「いやー、おいしいお茶ですねぇ。いい茶器にはいっていると、また格段に美味しく感じます。さすが、経費をちょろまかしてそろえただけはある」
「ぶっ・・・・・ちょっ!」
「あああ・・・・きたないですねぇ。もう誰にも見せられない書類にしましたね」
スラグの思いかけない言葉に、飲みかけのお茶を吹き出してしまい、書類に飛沫がとんでしまった。その書類を恨めしげにクリエルはそっとテーブルに置く。
「と、いうわけで、決定しました。よかったよかった」
「うううう」
そうして、ライゼルの上官として、クリエルが就くこととなったのである。



 ライゼルは、広いお城の中をきょろきょろと落ち着かなく見渡していた。幼いころから幾度となく訪れていた場所ではあるが、一人で来たのは実は初めてだったのである。
「君が、ライゼル・ロイス君?」
声がした方を振り返ると、視界に誰もいない。
「あれ?」
と、ライゼルのズボンを引っ張る者がいた。
「下・・下みて! 」
言われた方を見ると、タルタル族の青年がそこに立っていた。青年はライゼルと目が合うとにっこり微笑んでから、王国式敬礼をして、こう続けた。
「ようこそ、サンドリア王国第13騎士団へ! 私は、騎士団のひとりグッキーといいます。上官の命によりあなたを迎えにまいりました」
 慌てて姿勢を正し、ライゼルもぎこちなくではあるが、敬礼を返してから頭を下げる。
「わざわざありがとうございます。私はライゼル・ロイス。本日よりサンドリア王国第13騎士団に入団いたしました。よろしくお願いいたします」
「おK!」
緊張してした挨拶に、軽く返事をされてライゼルは少し落ち込む。
「ごめんごめん! ちょっと堅苦しいの苦手で」
へへへとグッキーは笑ってもライゼルに行こうと促した。
「騎士の控え室はたくさんあって、僕たちの13騎士団はちょっと入り組んだ場所にあるからよく覚えてね。ここの扉を入って・・・・ここを右に、そうすると、ほら向こうの角に壷が飾ってあるでしょ? そこを左。まーっすぐいった突き当たりが僕達の控え室です」
 きょろきょろと、言われた場所を必死になって確認する。
『右、壷左、突き当たり・・・よし』心のメモ帳にしっかりと書きとり、騎士団の扉の前に立った。
「さあ、どうぞ」
 こちらが扉をあけるより早く中から勢いよく扉が開き、外開きの扉だったため、思い切りグッキーを直撃し吹き飛ばした。
「げっ」
その様子を真近かで見てしまったライゼルは、頭の中で事後処理がなかなかできず硬直するだけだった。
「きゃーーーーーーっ! ぐっきーちゃんっ」
 跳ね飛ばしたのは、ライゼルの横幅を三倍くらいにしたガルカ族の青年で、倒れたグッキーを慌ててそーっと抱き上げると、半泣きの顔になった。
「しっ・・しっかり・・・あらーん。。。。大きなこぶが・・・・ぐっきーちゃんに愛の【ケアル】」
「だから、いつも扉を開けるときは静かにといっているだろう、ジェル。ここの扉だけ何故か外開きなんだからよ」
「くりちゃんがいけないのよ! 新人君が来るって私にナイショにしてるから! つい、慌ててお迎えに出ようとしたんじゃない! それに、ワタシの名前は【ジェイトン】!」
 中から、のんきに出てきたヒューム族の、やけに威厳のある青年が呆れ顔でジェイトンを見上げた。
「ナイショ? さては掲示板見てないな? 団長、前団長両名から彼についてのお言葉がしっかりと・・・・・・・・・こほん・・・」
と、ライゼルに気がつきコホンと、小さく咳払いをする。
「なによ・・・・・・・・・あ、あら・・・・おほほほほほほほほほほほほ(汗)」
ジェイトンもライゼルに気が付き、慌てて愛想笑いをうかべたのだった。




「あははははははははははははははははははは」
 ミスラ族のアイーシャが、そのとんでもない一幕の話しをクリエルから聞き、大爆笑をしていた。お腹をかかえ、涙をながし。。。ミスラ好きの夢をまさに打ち砕かんとするようなすごい笑い方だった。
「まあ、おかげでライゼルは私にへんな警戒心を抱かないでくれて、よかったわけなんだが」
苦笑いをしながら、クリエルはぼやく。


「あ・・・え・・・ぐっきーさん・・・だいじょうぶ・・・・?」
幾分、パニックから復活できたのだろう。ライゼルがジェイトンの腕の中でぐったりしているグッキーに声をかける。
「ふむ・・・突発事故に弱いタイプか・・・・・。動揺を抑えようとしているが、言葉がすべて平仮名になっているところを見ると、まだまだだな」
 その様子を、冷静にクリエルは分析する。
「遊んでないで、ちゃんと紹介しましょうよっ。。んもう、クリちゃんたらっ」
 ジェイトンは、腕の中のグッキーに衝撃が行かないようにと静かに立ち上がり、ライゼルを促した。
「さぁ、どうぞ。部屋の中へ」
 クリエルも頷き、先に部屋へと入る、続いてライゼル、ジェイトンと中へ入って言った。
 部屋の中は広く、大きな会議机が部屋に入ると左側にあり、右にはちょっとしたキッチンのような場所。正面左奥に団長の控え室と仮眠部屋となっている。とジェイトンがライゼルに説明した。ライゼルが促された場所は、中央の暖炉側にシャレた風に設置されたテーブルのところだった。
「ここはね、団員だちが、のーんびりくつろぐ場所。他の騎士団にはない空間よ。13騎士団の自慢の一つ。さあ、座って! クリちゃんがおいしいお茶を入れてくれるわ」
 その言葉とおり、クリエルがキッチンに向かってお湯を沸かし始めていた。
「私は、グッキーちゃんを休ませてくるわね・・・」
「あ。。はい・・・・・・・・・ひっ。。」
 ライゼルがジェイトンの小さくつぶやいた言葉に青くなった。
『いまなら、何してもわからないわぁ・・・・・』
もちろん、その言葉を耳にしたクリエルに一発どつかれたのはいうまでもない。
「さて、ライゼル君。どたばたしてしまって申し訳ない」
「いえ。。。」
クリエルの謝罪にライゼルは慌てて立ち上がり首を横に降った。
「ありがとう。私は、サンドリア王国第13騎士団クリエル。君の教育係りをおおせつかった。よろしく頼む。団長はあいにく別件で国を離れている。戻り次第お会いできる」
 王国式敬礼をし、クリエルはにやりと笑ってライゼルをみた。
「はい! よろしくご指導お願いいたします!」
ライゼルもまた、王国式敬礼を返し、頭を下げた。
「ふむ・・まずは、敬礼の仕方からかな?」
そう言って、クリエルは独特の微笑を浮かべて、ライゼルを見たのだった。


「で、敬礼の仕方を特訓したわけ?」
アイーシャが聞くと、クリエルはまさか・・と答えた。
「まあ、まずは剣の使い方、戦い方の基本ということで、ロンフォールへ行きましたよ」
「ほう・・・。どう? 使えそう?」
「筋はとてもいい。少し鍛えると使えますよ」
「おお、いいね!」
アイーシャが興味津々と言ったところで、スラグが戻ってきた。
「おや、軍師。こんな時間に珍しいですね」
「あれー・・スラグがいる。団長と一緒に行ったんじゃないの?」
アイーシャの言葉に、スラグは頷いて椅子に腰を下ろした。
「事務処理が滞っていたのと、カイルがついていく事になったので、あえて私でなくてもいいだろうと思いましたので」
「なるほどね」
スラグはクリエルがいつの間にか淹れたお茶を受け取り、一口飲むとほっと息をつく。
「ライゼルくんの話しですか?」
アイーシャは頷き、ことの顛末をかいつまんでスラグに聞かせた。スラグもまた爆笑したのは
言うまでもない。
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by ryo0610hi | 2007-03-14 17:30 | 番外編