FFXIのキャラですすめる小説


by ryo0610hi
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風の教えるままに サンドリア編 1

今日も旅を続けるフェイリー達の周りでは穏やかなやさしい風が吹いている。
出された課題を一つだけ残して、あとはゆっくりとサンドリアに向かうだけの楽しいたびのはずなのだが、フェイリーは件の酔っ払い事件ですっかり落ち込んでいた。
そんな彼女を見かねたグッキーは気分転換にとバルクルム砂丘の海岸への寄り道を決め、フェイリーの手を優しく引いて海岸へと足を向けた。
「フェイちゃん。ここでちょっと休憩しようね」
明るく声をかけると、フェイは頷いて波打ち際まで進み、そこへ腰を下ろした。
辛気臭いフェイリーをため息混じりにライゼルは見ていたが、意を決したように彼女に近づくと
「いい加減浮上してこいよっ!」
言うが早いか、ライゼルはフェイリーの両脇をがしっと掴むと、そのまま海へ投げ飛ばした。
「ぎゃーっ!」
威勢のいい叫び声とともにフェイリーは海へと沈んで、そして元気よく泳いで岸にたどり着いたかと思うと、いきなりとび蹴りをライゼルにかました。
「うおっ!」
「いきなりなにするのよ!」
「おまえこそ!」
突然の出来事にグッキーの思考回路がまったく追いつかない。
「レディを海に投げ飛ばすなんて、最低!」
「けーーっ! レティがいきなりとび蹴りなんかするのかよ!」
「気孔弾!」
「どあっ!!」
フェイリーの(怒)気の塊を不意に受けて、ライゼルが砂浜に倒れこむ。それをみてフェイは勝ち誇ったように鼻で笑った。
「ふっ。油断大敵ですわよ。ナイト様」
「卑怯者めっ!!」
ますますの展開にグッキーはさらにパニックになる。
「あああ・・ちょっと・・二人してけんかは・・」
パニックになってるグッキーをみて、やがてライゼルとフェイリーは顔を見合わせて笑い始めた。
「ちょっ・・そこって笑うところ?」
グッキーは大笑いしている二人に講義すると、ますます二人は笑いが止まらないようだった。
「もーーっ」
怒っている風ではあるがグッキーも笑っていた。
「フェイ・・。あれはさ、お前が悪いんじゃないからきにすんな」
「うん」
そばに座って頷くフェイに、ライゼルは腕を回してぎゅっと抱きしめてやった。
「お前が元気ないと、グッキーさんも俺も元気なくなるぜ?」
「そういうこと!」
グッキーもぎゅーっとフェイに抱きついた。
二人にぎゅうぎゅうと抱きしめられて、フェイはうれしそうに笑うのだった。







「相変わらずここは吹雪だの・・」
視界を確保するために左手を額に当てて傘代わりにしつつ、うんざりした風にターリはつぶやいた。
「雪国ですから」
目まで覆う、スラグ愛用の頭装備はそんな吹雪の中でも視界を良好に保つ優れものだ。それをちょっとうらやましげにみつつターリは冷たく言い返したスラグに反撃する。
「すーちゃん、つめたい・・氷のように」
「だれがスーちゃんです! だれが!」
{すーちゃん、こわーい」
メビウスがちゃっかり乗って、からかい始めた。
「メビさんまで、まったくこれだから団長に怒られるんですよ」
「えー・・・。私はなにも悪いことなんかしていないのに」
心外だとメビウスはいうが、誰一人その言葉に同意するものはいなかったのである。
サンドリアから遥か遠く、しかしテレポートという便利な魔法のおかげで近くなったボスディン氷河への道。
団長から依頼を受けた、カイル達はメンバーにターリとリュウを加え一路フェ・インへと向かっているのであった。
「結局、俺の休暇はどっかに飛んでった・・・メビさんのせいだからね・・あとで、なにかおごってくださいよ」
「えええ! リュウさんを呼べっていったのは、スラグさんですよ? 私は無実」
慌ててメビウスが首を横に振ると、リュウとスラグから抗議の声が上がる。
「だれが無実?(笑)」
「えええええ」
和やかに進んではいるが、全員戦闘準備をした本気の旅である。
「で、今回の作戦はなにか考えてあるのかい?」
ターリが聞くと、カイルとメビウスが頷いた。
「今回の事件の報告書に目を通してみたが、どれもが同じ。『力が抜けていく』『無限に骨が沸いてくる』」
「ふむ・・」
「幸い、どの報告書にも死亡の報告はない。白魔道士が同行していたとある。いいことだ」
「重傷者はいたが・・ね」
メビウスの言葉に、カイルが付け足す。
「魔法タイプと殴りだけのタイプ。そのなかにデカイのと・・無限に沸くやつがいるらしい」
「うへ」
ターリがうんざりした風に肩をすくめる。
「魔法タイプを先につぶして・・そうだなぁ、後はそのデカイのをやったほうがいいかもしれない。無限に出てくるやつは、報告によると倒したら
倒したぶん沸くらしいからな。倒さずにキープ・・となるかな。無理だけはしたくない」
カイルがいうと、メビウスは頷き言葉を引き継ぐ。
「我々は、それの確認ともうひとつ。できれば殲滅だ」
「最後の一言は隊長の希望だろ・・」
クリエルがいうと、メビウス以外の全員がそれに同意した。
「あれーっ」
おかしいなとメビウスが首をかしげる。
「そもそも、『殲滅せよ』なんて団長からいわれてないですよ」
スラグがつめたくいうと、メビウスはちっちっちと人差し指を立ててその言葉を否定する。
「せっかく来たのだから、全力で戦う。これ基本でしょ! 夢がないなぁ」
「みんなー! メビさんがひとりで突っ込むんだってー・・暖かく見守るよー」
メビウスの言葉に即反応したターリがそういうと、メビウス以外の全員がこぶしを挙げて賛成したのだった。
「えええええ!」
メビウスの言葉は吹雪の中へ消えていったのだった。




元気が出てきたフェイリーとわいわい言いながらラテーヌ高原に入る。と、そこでジェイトンが花屋の格好でむかえてくれた。
「ようこそ! 虹のきれいなラテーヌ高原へ!」
「ジェイトンさん!」
きゃーっと飛びつくフェイにジェイトンも野太い声で歓声をあげて答える。
「元気そうね! ここに土を取りに来ていたら、あなたたちがもうすぐラテーヌにはいるってアイーシャが教えてくれたから、まっていたの!
それになんてラッキーなのかしら。今日は素敵な虹がみれるかもなのよ! 」
「ってことは、もうじき雨になるんですね」
ライゼルがいうと、ジェイトンは頷き、さらに通り雨らしいと答えた。
「おお! ならいそがないとだね!」
グッキーも楽しそうにいうと、フェイリーの手を引いて急ごうと促した。
「なになに? なにがあるの?」
「いけばわかるよ!」
心なしかライゼルも楽しそうだ。
「いくわよぉぉぉ!」
ジェイトンがフェイリーを肩車して全力疾走し始めたその後を、グッキーとライゼルもまた全力でついていったのである。
途中、テレポ石をとり促されるまま白い建物からすこし離れた場所へすすむ。と、雨が降り始めた。岩山にぽっかりと開いた穴の中で雨宿り。
「ここにこんな場所があるなんて知りませんでした」
グッキーがいうと、ジェイトンは姉に教えられたのだという。
「二番目の姉が冒険者で、いろいろなところの便利そうなんだけど誰も知らない場所を教えてくれるの。ここもそのひとつ」
「それはすごいや」
「私たちも急いで通り過ぎるだけのところを、ちょっと立ち止まってみるだけで、世界が変わるって姉が言ってた。そのとおりよね」
ねっ。とフェイリーに微笑みかけて、空模様をみてそろそろ出ようとみんなを促した。
だんだん空が明るくなるっていき雲が晴れていく。白い建物の少し上のほうをジェイトンは指差した。
「あのあたりをよく見ていてね。そろそろ・・ほら!」
「きれい!」
雨がまだ少し残る青空にゆっくりと七色の橋がかかっていく。ジェイトンはそっとフェイリーを抱き上げて肩車してやる。
フェイリーはちょっと驚いた顔をしたが、やさしく微笑むジェイトンの表情に頷いてそのままゆっくりと虹の橋がかかるのをきらきらした目で見ていたのだった。
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by ryo0610hi | 2010-03-10 01:40 | サンドリア編