FFXIのキャラですすめる小説


by ryo0610hi
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

こんな運命もあるわよね 2

入団試験まで一週間。
なにもしないでいるよりは・・と、冒険者の経験のある義兄が私を特訓してくれた。
「君は剣をもって戦うより、格闘が向いてるとおもう。それから、回復魔法もいいね」
義兄がいうには、モンクと白魔道士に向いているという。モンクはわかるけど、白魔道士? 
「君は優しいからきっと守ってあげたいっておもっちやうだろ? 騎士だからナイトという手もあるけど、申し訳ないが剣の才能はないと思ったほうがいい・・・・」
いいにくそうではあったが、はっきりと義兄は言った。私自身、剣を持ったもののウサギに逃げられ返り討ちにすらあって、とても向いてるとは思えない。それに比べると、素手で殴っていると嘘のように決まる。
「白魔道士もつきつめると強いよ。私はそんな人をたくさんみてきた。ガルカ族だからといって向いていないなんてことは決してない。むしろむいているかもしれないよ」
義兄の言葉にそれならと白魔道士を目指しながら仕事の合間に一で修行なんかをしてみることにした。ある程度自分のジョブが決定していると受かりやすいとのうわさをどこからか姉が聞いてきてくれたのこともあって、私のやる気もうなぎのぼりだ。



試験を二日後に控えたその日、義兄は私にもう少し強めのモンスターを相手にしてみたらどうかといってきた。弱い敵ばかり相手にしていたのでは実力は上がらないからというのだ。
確かにそのとおりだと思い、思い切ってロンフォールを抜けラテーヌ高原まで脚を伸ばしてみた。ここに来るのも久しぶりだ。そして、一人で来るのは初めてのこと。
情けないことに、そこにいてモンスターを見つけてもなかなか手を出せずにいた。
冒険者が次々と狩りをしていく。ただ唖然としてそこにたっている自分。
と、一人の冒険者らしき人が声をかけてきた。
「すみません、白魔道士の方ですね。よかったら一緒に戦いませんか?」
エルヴァーンの青年は、照れくさそうに笑ってそういった。一日だけのお付き合いしかできないと告げると、十分だという。その間に一人でもここで戦える強さを身につけられればいいのだと彼はいった。
彼は戦士。私は白魔道士。二人で協力しあっての戦いはとても楽しかった。強くなっていくのがお互い手に取るようにわかる。夢中になりすぎて、私たちは気がつかなかったのだ。この先にいるオークの存在に。
そのオークたちが私たちをじっと見つめていたことに・・・。


「グルルル・・・・・」
その声に気がつき、強くなったと過信していた私と彼は一体だけならやれると侮り、オークと対峙した。ところがである。オークは仲間を呼んだ。一体だけではない。二体もだ。そのうちの一体は魔道士タイプで容赦なく私がまだ使えない治癒魔法ではないと治せない高度な魔法も使ってくる。
モンクタイプのオークの攻撃と槍をもつオークの攻撃が彼の体力を奪っていく。必死に回復をするが私ごときのマジックポイントではたかが知れている。二人で死を覚悟した。甘く見ていたことを反省しても後の祭りだ。
大好きな家族が頭に浮かぶ。なんともすまない気持ちと、自分の力不足と浅はかさに涙が出る。
彼が倒れた。
オークたちの攻撃が一斉に私に向けられる。
『みんな・・ごめんなさい・・・』
そう、呟き覚悟をきめたとき・・・
「気孔弾!!」
誰かがオークを一撃で倒したのが見えた・・・。そこで私は気を失ったのである。


「ジェイトン! きがついた? よかった」
気がついたとき、私は自分の家のベッドに寝ていた。
「かあ・・さん・・。わたし・・・」
「お友達も無事よ。あなたに申し訳なかったといってたわ」
「ううん。彼は必死に私を守ってくれていたの・・・」
よかった。エルヴァーンの青年も無事だったんだ・・・・。
いい経験をしたね。といったのは義兄だ。
「世の中にはもっと強い敵がいる。自分の実力を過信すると手ひどい目にあう。それがわかったことはこれからの君に生きてくる。それはとても大事なことだよ」
「はい・・」
「君をここに運んでくれたのは、騎士団の方たちだよ。えーと、そう、カイルさんもいたな。入団試験のときにでもお礼をいうといい」
そうか、あの時数人の人影をみたのは、そうだったのね。と、納得する。一撃でオークを倒たのを倒れる寸前に見たのは間違いなかったのだ。
「いつか・・いつか私もあんな風に強くなれるかしら」
「なるわよ」
言い切ったのは姉だ。
「だって、ジェイトンには父さんの心が受け継がれてるもの。やさしい、力持ち!」
母もうなづいていた。
そうなのかな。姉たちに聞かされていた父のように、なれるかな・・血はつながっていないけど、あなたの息子ですといえるようになれるといいな・・
「小さな花の強さに負けないくらいの強さをまずは身につけるんだね。一回負けたくらいでくよくよしてたらだめだよ」
少しへこんでいる私の気持ちを見透かすように母は笑ってそう言ったのだった。



試験当日。城の中にある訓練所に私たちは集合していた。さすがに騎士の入団テストというだけあって集まった人たちはかなりの腕自慢らしく、装備の自慢をしたりどこのなにを倒したなどはなしている。私のような丸っきりの初心者はいないようだ。
居心地の悪さに壁際にそっと離れる。
「あ、ジェイトンさん!」
と、私に声をかけてきた青年がいた。
「あ、あらっ! スラグさんっ!」
ラテーヌで一緒に戦ったあの、エルヴァーンの彼だ。
「あなたも騎士団に入隊希望だったのですね」
初心者だという彼も居心地悪くてここへ移動してきたのだという。お互い知った顔をみつけて安心するとともに、受かる努力をしようとうなずきあった。
試験官が入ってきた。実力別に今度は部屋を移動するように言われた。さすがに初心者組みは私たちを含めても10人程度。
初心者の私たちにはここで、希望するジョブ別に並ぶように言われる。
私の希望は白魔道士なのでそこへ並ぶ。
そんな時だ。モンク希望のところにいたヒュームの青年が突然胸を押さえてうずくまったのだ。
騒然とする中、スラグが動いた。
「しっかり! 薬は? こんなことははじめてですか?」
そんなスラグの手助けになればと、私もそばへいく。
横にするため、そばに立ちすくむ人に場所を空けるように伝え、苦しんでいる彼を横にする。
スラグは、彼が横になる手助けをし、自分が身につけていた服を脱ぎ頭の下に敷いてやり、きっちりと締められていた服のボタンを緩めてやる。
「す・・すみません。。。」
少し楽になったのか、小さく深呼吸を繰り返し、すまなそうに私たちをみた。
「なにをいってるの、そんなこと気にしないでいいのよ。お水もらってくるわね」
断って、試験官に水をもらえる場所を聞くと隣の部屋へ行くようにといわれた。
ノックをして中に入ると、カイルさんがにやにやして私に手招きをしてくれた。
「あ・・あら? あの、すみません。具合悪くなった方がいましてお水を・・・」
「おめでとう」
「は????」
にやにやして、カイルさんは答えをくれない。
「あ・・の?」
「まあ、いい。そこの椅子にすわってまつといい」
「いえ、だから水を・・・」
「座る! 聞こえたら実行」
「はいっ!」
強く言われて、条件反射で返事をしてそばの椅子に座る。
程なくしてスラグも部屋の中にはいってきた。
「すみません。ここにお医者さまがいらっしゃるとお聞きしたのですが・・・・」
「おめでとう」
スラグをみて、カイルさんは私にしたようににやにやして彼を手招いた。
盛大にクエッションマークを飛ばして、スラグは私をみた。
倒れたはずの彼が元気に部屋に入ってきたのはそれからしばらくしてからだった。
「クリさん。ご苦労さん。名演技だったらしいじゃないか」
笑いながらカイルがいうと、クリさんといわれた人はにやりとしてみせた。
「ん? カイル。まだ説明していないのかい?」
わけがわからなくて、目を白黒させている私とスラグをみて、クリさんと呼ばれた倒れたはずの彼が言う。
「察しが悪いらしくてな。『おめでとう』と言ったんだが伝わらないんだ」
「・・・そりゃ・・説明してやらないとだめだろう」
笑いをこらえてクリさんと呼ばれた青年はカイルの肩をぽんぽんとたたいた。
「ふむ・・やっぱりか・・」
しかたないな。と、カイルさんは言って私たち二人の前に改めて立った。
手元の書類をみて確認するように私とスラグの名前を呼ぶ。
「間違いないな。二人は合格だ。おめでとう」
「「は?」」
疑問符のシンメトリーに「クリさん」もカイルさんも笑い出した。
「今のが、初心者向けのテストだった。合格したのは君たち二人。とっさの行動力はスラグ。君はすばらしい。ジェイトンも仲間に協力する姿勢はすばらしいものがあった。その気持ちを忘れずに我々の仲間として活躍して欲しい」
唖然とする私たちに、二人は改めてサンドリア式の敬礼をして自己紹介をしてくれた。
「サンドリア騎士団第13騎士団 第5班隊長カイル」
「同じく 第5班 クリエル」
はっとして、私とスラグは立ち上がった。
「よろしくおねがいしますっ」
「君たちは 私たちの師団に配属になり、指導には私たちの班が当たる。一日も早く慣れ活躍してくれることを願う」
カイルさんの言葉に力強くうなずいて、見よう見まねで敬礼すると、クリエルさんはにやりと笑って「まずは敬礼の仕方から練習だな」と言ったのである。


「あ~あ、あのころの君たちはとっっっっってもかわいかったのに・・・」
クリエルが備品購入書にサインをしながらスラグを恨めしげに見た。
「私は、あなた方お二人に公平であれ。誠実であれ。と、教えられたことをそのまま実行しているだけです。文句はご自分にいったらどうです」
あの後、めきめきと頭角を現し、スラグは強くそして13騎士団のなくなてはならない秘書の立場にあっというまに上り詰めた。異例の出世だ。
「ジェルもなんだか気がついたらやけに立派な騎士になってやがるし」
「彼は元々、努力家ですから」
「君もね」
クリエルの言葉にスラグは微笑んで答え「でも、それとこれは別です」ときっぱりと言い放った。
「あっら~~。またクリちゃんが黙って茶器でも買ったの?」
実家から戻ったジェイトンが師団の部屋へ戻ると、珍しくクリエルが書類なんか書いているものだから、からかって言っただけなのに当たったらしい。
「ううう」
「んまっ。自業自得よね~」
「ね~」
同期の二人は息もぴったりだ。
「入隊したばかりの二人は、かわいかったのに。。一ヶ月もしたころにはいっぱしの事件を二人で処理して・・・気がついたらこんな上まで上り詰めて・・」
「クリちゃんだって、ものすごい出世だっていうじゃない」
「俺は、まあ、異例だからな」
クリエルから書類を受け取って、黙って買わないでくださいねと釘を刺すことも忘れないスラグだった。
「ああ、クリさん。近々新人が入ってくるそうです。新人教育。まかせていいですか?」
「ほう。今はとくに任務も請け負ってないからな。いいぜ。二人が入隊したころがなつかしいな」
「クリちゃんの演技力にまんまとだまされた、あの日は一生忘れられないわ」
ジェイトンはため息をついて、スラグに「ねっ」と同意をもとめた。
「まったくですね。今もけっこうその演技力にごまかされそうになりますが」
そういって、クリエルが淹れたお茶を飲む。
「うううううう」
少し前までのかっこいい先輩が、気がつけば立場が逆転とはここは面白いところだとジェイトンは思う。
「そうそう、ジェル。あの花。またつぼみをつけたぜ」
クリエルがジエイトンに告げた。
「まあ、すごい。何度もつぼみをつけさせることができる人はそうそういないのよ。大事にしてくれていてうれしいわ」
「ジェルがきちんと説明書をつけてくれてたからな。あれのとおりに育てている」
「んふふふ。クリちゃんがいない間は、クーちゃんが世話しているって聞いたわよ・・・ぐふふふふ。それから私の名前はジェイトンよっ」
ぶっ・・と、飲みかけのお茶を噴出したクリエルだった。


あの日。熱くなった頭で申し込んで、気がついたら私は騎士としてここにいる。きっと、そうなることが決まっていた人生なのだと今にして思う。
転生した私を見つけてくれた人は騎士だったという。そして、自分が戦いに向かわねばならなくなったため友人をたどり母に託してくれた。暖かく私を養子として迎え入れくれた家の主も騎士である。そして、私も騎士として今、ここにいる。
彼らに顔向けできないような人生は送れないと、自分に言い聞かせ前をしっかりと見据えて進んでいく。そう決めた。

運命って信じるか? と、聞かれたら私はまちがいなくこう答えるだろう。
「もちろん。しんじるわ」
と。
[PR]
by ryo0610hi | 2009-04-24 18:31 | 番外編